3月。
正直に言うと、この月の記憶はあまり鮮明じゃない。
理由は簡単で、
余裕がなかった。
地域主催大会という現実
この大会は、
「出るだけの大会」ではない。
- 地域主催
- 持ち回り運営
- グラウンド当番あり
- 審判派遣あり
- 本部対応あり
つまり、
試合をする側でありながら、運営側でもある。
週初め、分かった現実
名簿を見て、頭が真っ白になった。
審判を出せる人がいない。
本部を任せられる人もいない。
——正確に言うと、
当日やれるのが自分しかいなかった。
「どうする?」ではなく「やるしかない」
誰も悪くない。
協力的じゃないわけでもない。
- 別の審判講習
- 仕事
- 家庭の事情
全部、理由として正しい。
だからこそ、
「誰か来てくれ」と強く言えなかった。
OBと知人に頭を下げる
スマホを握りしめて、
連絡を入れた。
- OB
- 昔の野球仲間
- 個人的な知り合い
「急で申し訳ないんだけど…」
この言葉を、
何度口にしたか分からない。
成立した。でも、心は削れた
結果的に、
大会は成立した。
審判も揃った。
試合も回った。
大きなトラブルもなかった。
外から見れば、
**「普通に終わった大会」**だったと思う。
でも、内側は違った。
一番きつかったのは「誰にも見えないこと」
この日の一番きつさは、
肉体的な疲労じゃない。
- ずっと気を張っている
- 失敗できない
- 誰かに頼るのが怖い
それを、
誰にも見せられないことだった。
「父母会長って、こういうことか」
この日、はっきり分かった。
父母会長って、
- 仕切る人でも
- 偉い人でもなく
最後に残る人なんだ。
家に帰ったあと
家に帰って、
座ったまましばらく動けなかった。
「今日、何が一番大変だった?」
そう聞かれても、
うまく答えられなかった。
言葉にすると、
全部こぼれてしまいそうだったから。
それでも、やめようとは思わなかった
不思議なことに、
この日「辞めたい」とは思わなかった。
ただ、
ああ…
これは、想像してたより重いな
そう、静かに思っただけだった。
次回予告(第6話)
4月。
Instagramを続けていた先に、
思いがけない出会いが生まれる。
この物語で初めて、
「やっていてよかった」と思える出来事が訪れる。



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