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【第3話】卒団式本番と、初めての大きな遠征

少年野球のめんどくさい話

1月。
年が明けても、父母会長の仕事は一区切りつかない。

むしろ――
ここからが本番だった。


卒団式当日、「やり直し」はきかない

卒団式当日の朝。
会場に集まる保護者、子どもたち、指導者。

空気はどこか張り詰めていた。

  • 段取りは合っているか
  • 動画はちゃんと再生されるか
  • 名前や成績に間違いはないか

一つでもミスがあれば、
「一生に一度の卒団式」は、簡単に台無しになる。

誰も口には出さないが、
「失敗しないでほしい」という視線は、確かに感じていた。


無事に終わった、でも…

結果として、卒団式は大きなトラブルもなく終わった。

子どもたちは笑い、
保護者は写真を撮り、
指導者は言葉をかける。

「良かったね」
「無事終わってよかった」

そう言われるたびに、
胸の奥で少しだけ力が抜けた。

でも――
心から「終わった」とは思えなかった。

なぜなら、
次のイベントが、すでに控えていたからだ。


初めての“大きな遠征”

1月のもう一つの大きな仕事。
企業主催の野球教室への遠征引率。

  • 集合時間の設定
  • 移動手段の確認
  • 遅刻者が出た場合の対応
  • 現地での行動ルール

いつもより距離がある分、
「何か起きたら取り返しがつかない」という緊張感があった。

子どもたちは楽しみで仕方がない。
でも、大人は違う。

頭の中では、常に最悪のケースを想定していた。


「早く着きすぎる」という失敗

当日は、全員無事に集合。
移動も順調だった。

ただ一つだけ、想定外だったことがある。

早く着きすぎた。

遅れるよりはいい。
でも、待ち時間が増えるということは、

  • 子どもが疲れる
  • 集中力が切れる
  • トラブルが起きやすくなる

遠征の難しさを、身をもって知った瞬間だった。


子どもは楽しんでいた、それが救いだった

それでも、野球教室が始まると、
子どもたちの表情は一気に変わった。

  • プロの動きに目を輝かせ
  • 普段と違う空気を楽しみ
  • 純粋に野球を楽しんでいた

その姿を見て、思った。

「ああ、やってよかったな」

この一言がなければ、
正直、心は折れていたかもしれない。


少しずつ、見え始めたもの

1月が終わる頃、
ふと頭をよぎった考えがある。

楽しいイベントほど、
裏側は大変だ。

そして、その大変さは、
やっている人にしか見えない。

まだ、このときは気づいていなかった。

この積み重ねが、
春に向かって、
確実に自分と家族を追い込んでいくことを。


次回予告(第4話)

2月。
節分イベントと、今季初の公式戦。

イベント運営と勝負の世界。
どちらも「簡単」では済まされない現実が、
一気に押し寄せてくる。

続きを読む(第4話)

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